Yogini愛の天然生活

かざらない、そのままの自分にぴったりフィットする言葉をつづります

真面目な性エネルギーの話

真面目な性エネルギーの話
〜マルマヨーガの話〜 vol.12 2020年5月20日

 少しずつ世の中の緊張がゆるみ、暮らしのリズムが戻ってきた感がありますね。私の住んでいる京都も、緊急事態宣言の解除が決まれば、肌で感じる空気がさらに変わっていきそうです。
 
 さて、今日は、そんな流れの中でこれからの生き方のアクセントになるような記事を書くことにしました。『ところで、マルマヨーガやってみてどう? 』の記事でマルマ・ヨーガをやっている自分自身の感想の一つ目を、『ココロとカラダをつなぐマルマ・ヨーガ』で二つ目を紹介しましたが、今日は三つ目を紹介します。
 

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「スローエイジング効果があるように思う」
 
 アンチエイジングという言葉がありますが、同じように「若返り」のイメージを表現したスローエイジングという言葉もあります。ヨーガの思想をベースに「若返り」をとらえてみると、スローエイジングの方がしっくりくる感じがして、私にとってはこちらの方が好印象です。アンチエイジングと言うと、歳をとることに対して「反対・対抗」しているようで、ありのままの自分や自然の流れを受けいれられていないように響きませんか。
 
 「私」という一人の人は、この広い宇宙全体から見ると小さな存在です。天体の動きや、目に見える自然の移ろい、社会やまわりの人の動き、それらのつながりの中で影響を受けながら存在しています。コロナを取り巻く状況を見ても、ウィルスの拡散や情報の伝達など、目に見えないものがまたたくまに世界中に広がり影響を与えることを実感した方も多いのではないでしょうか。
 
 私たちはそんな風に、目には見えない宇宙の仕組みと流れの中に存在しているから、頭で考えてコントロールできることにも限界があるはずです。一見できたように思えても長続きしなかったり、自分を取り巻く環境やまわりの人への影響を考えると、頭で考えて自分の思考や行動をコントロールしようとしすぎると、不調和を生むように思うんです。
 
 凧上げをする時、良い風が吹いたら自然とそれに乗って高く上がっていくように。(私はしたことがないけれど)サーフィンをする時、良い波が来たらチャンスを逃さずにうまく波に乗っていけるように。
 
 もし回転寿司でカウンターに座ったら、タイミング良く回ってきた握りたてのお寿司のお皿に手を伸ばし、華麗に食べたいお寿司をゲットするように。
 
 ここで気をつけたいのは、「回ってるお寿司が余ってしまったら勿体無いから、別で注文するのはやめて、回ってるヤツを食べよう」と考えて艶のなくなったネタの乗ったお寿司を手にしないことかなと思います。食べた直後に残りのお寿司が引き上げられてショックを受ける人はやらない方が良いかも知れません。欲しいネタがあればその気持ちに正直になって店員さんを呼ぶかタッチパネルで注文する。そこで生まれる我慢のエネルギーが小宇宙である自分の身体に与える影響を考えると、心の動きに正直になるのが一番なんじゃないかと思います。
 
 
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『性エネルギーをなかったことにしない』
 
 ヒトとしての私たちの根源的なエネルギーは、性エネルギーです。それがなければ私たちは今ここに存在しないですよね。ヨーガで、禁欲(=ブラフマチャリア)について考えることがあります。禁欲は、性欲・情欲だけとは限りませんが、やはり禁欲においては大きなテーマです。
 
 マルマ・ヨーガでは、逆にこれを利用します。真面目な性エネルギーの話なのでこの先も脱線していかないのでご安心くださいね。
 
 私が注目したいのは、性欲をどう扱うか以前に、それがあるかどうか?感じているかどうか?です。自分自身で性エネルギーを実感しているかどうか?実感できればそれを使ってマルマ・ヨーガをすることができます。実感できなければマルマ・ヨーガで育てていきます。
 
 カンダ(女性では子宮のある場所・男性の場合も同じあたり)の場所にプラーナのエネルギーを満たしていくアーサナ(ポーズ)・プラーナーヤーマ(呼吸法)・イメージング(観想)を行い、本来の性エネルギーを取りもどしていきます。私の体感で言うと、充実しているような、温かいような、どっしりとした安心感を伴います。繰り返しイメージングを行うことによって、徐々にカンダのプラーナのエネルギーが高まっていきます。イメージング以前に、抗重力筋を鍛えるトレーニングも欠かせませんが、それはまた別の機会に書くとして.....。
 
 カンダに満ちたプラーナのエネルギーを扱うのが、マルマ・ヨーガのテクニックなんです。プラーナのエネルギーを、全身に位置するマルマやナーディに流していき、身体内を流れるプラーナの交通整理をするように、身体の地図をつくっていきます。
 
 重要なのは、そのエネルギーを生エネルギー、更に繊細な精神エネルギーへと変換していく過程です。そのためには、身体の操作・イメージング・それらへの集中が必要です。そして最後は、精神エネルギーを祈りと感謝に導きます。祈り、感謝を捧げる対象は自分自身の内なる神様です。
 
 身体内に小宇宙を立ち上げ、性エネルギーを生エネルギー、更に繊細な精神エネルギーへと変換し、その全ての過程を小宇宙の中心に存在する神様に感謝と祈りを捧げるように行う。
 
 私が感じているマルマ・ヨーガの効果、スローエイジングについて振り返ってみて、性エネルギーと向き合うこと、そしてカンダにプラーナのエネルギーを満たし続けること、それを別のエネルギーに変換させていくことが、ココロもカラダもゆっくりと歳を重ねていくことにつながるのではないかと考えています。
 
 どうでしょうか。大丈夫でした!?この話…..。エネルギーを変換させていくのは本当に面白いので、全く意味がわからんという方もぜひ、ちょっとだけでも足を踏み入れてみて欲しいところです。もっとマニアックに書こうと思えば書けるんですが、詳しいことは直接聞いてくださいね。
 
 ということで、真面目なハタ・ヨーガの話でした。私にとってはかなり勇気が必要だった記事です。でも、このブログは読む人に届き役立ててもらえるように書いているので、ここまで読んでもらって、何かを見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。
 
 
 
 
 
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ココロとカラダをつなぐマルマ・ヨーガ 

ココロとカラダをつなぐマルマ・ヨーガ 
〜マルマヨーガの話〜 vol.11  2020年5月18日
 
 前回の記事は『ところで、マルマヨーガやってみてどう? 』というテーマで書いた。その中で、マルマ・ヨーガをやってる自分自身の感想の一つ目を紹介した。今日は、二つ目を紹介する。
 

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「心と身体のつながりや全体性が養われてきたように思う」
 
 マルマは、人の「身体」「心」「魂」の3つに共通するツボのようなものだと言われる。先日の朝のマルマ・ヨーガで、「魂」のツボってどういうことかイメージできないと質問してくださった方がいた。その時私は、適切な回答ができなかった。
 
 ヨーガの哲学を勉強した方は、人間の3つの身体(=トリ・シャリーラ)「粗大身(ストゥーラ・シャリーラ)」「微細身(スークシュマ・シャリーラ)」「原因身(カーラナ・シャリーラ)」という言葉をご存知だと思う。
 
 「身体」「心」「魂」の3つに共通するツボのようなものだという意味は、肉体だけに関わるものではなく、見えない部分も含めた私たち人間の全存在に影響する場所だということ。「魂」に関して聞かれると正直私もうまく答えられないけれど、一つ言えるのは、目に見えないものを「魂」という言葉で表現する時点で、人によって様々な解釈が生まれるということだ。
 
「粗大身(スークシュマ・シャリーラ)」は、物理的に認識できる粗雑な次元。
 
「微細身(ストゥーラ・シャリーラ)」は、プラーナとして表現されたり、心の働きとして認識できる、目に見えない微細なエネルギーの次元。
 
「原因身(リンガ・シャリーラ)」は、心の働きや、判断・決定する意思の働きを生み出す元になるもの。私が知っていることを合わせて考えると、遺伝子など細胞レベルでの記憶といってもいいかも知れない。
 
 
 ウンチクはともかく、自分自身の体験を言葉にするなら、私の全存在に影響を与える場所だということに納得がいく。そのことを実感している。今はそれを解明しようという気持ちはあまりなくて、ただそのことを意識しながらマルマに心をおく時間を過ごしていきたいと思う。そうすれば、私が私を納得させるための体験が積みあがっていく。
 
 私の身体の中に、広い宇宙が広がっていること、祈りを捧げる場所があること、そこに安心していられること。それが全てだから。
 
 
 
 
 
 
 
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ところで、マルマ・ヨーガやってみてどう?

ところで、マルマ・ヨーガやってみてどう?

〜マルマヨーガの話〜 vol.10  2020年5月15日

 

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 先日書いたブログをFacebookでシェアしたところ、伊藤武先生のイイね!がついていて焦った私です(笑)うまく隠れていたつもりだったんんですが。。。そこで改めて自分の役割を考えてみました。私は、伊藤先生の(インド・ヨーガ・仏教・武術・医学などに関する)知識の0.1%も持っていないと思います。だから今後は、私自身の体験を通して気づいた生の声にフォーカスして書いていきたいと思うようになりました。詳しいことは先生の著書を読んでいただいたり、マルマヨーガのクラスに参加して確かめてください。
 
 そこで本日のタイトルは、、、。『ところで、マルマヨーガやってみてどう? 』
「身体への感謝の気持ちが自然と湧くようになった」
「心と身体のつながりや全体性が養われてきたように思う」
「スローエイジング効果があるように思う」
これは私の感想ですが、今後他の方の感想も紹介してみたいと思ってます。
 
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「身体への感謝の気持ちが自然と湧くようになった」
 
 一つ一つのマルマに集中し、そこにニヤーサしながら(心を置きながら)マントラを唱えたり、ポーズをとったり、呼吸法をしたり、瞑想をしながら身体を巡って行くとき、私たちは巡礼の旅をしていルようなものです。
 
 よく私の口から出てくる言葉があります。
「マルマに触れる時、大切なものを扱うような気持ちで触れましょう」
 
 例えば、赤ちゃんに触れる時。誰でも優しくて繊細なモードになって、そっと扱います。また、寺社仏閣にお参りして手を合わせる瞬間、多くの人は静かな気持ちになり、いつもより丁寧に動作しようとします。そんな場面をイメージしてみてください。
 
 自分自身の身体に触れる時も、同じようにそっと丁寧にしてみます。そうするとそこで心と身体が交差します。それが、ニヤーサする(=心を置く)という意味です。
 
 マルマ・ヨーガは、最初にGayatri Mantraを唱えて始めます。太陽の光のプラーナを、呼吸とイメージングを通して身体内に導きます。すると、命を育んでくれている太陽を始め、自然界を構成しているもの、そこに存在するものに感謝の気持ちが湧いてきます。全てつながっているということが、感覚的に、イメージで、理解できるようになってきます。
 
 他のスタイルのヨーガをされている方々も同じように、それぞれのやり方で、自分自身の中に祈りや感謝を育てていると思います。そして私は、この古風なハタ・ヨーガが大好きです。
 
 
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続きはまた.....^^





 
 
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マルマを見つめる目

マルマを見つめる目
〜マルマヨーガの話〜 vol.9  2020年5月11日

 
 
 心臓のマルマの前で、手を合わせる。意識は、心臓の空間へと入っていく。そこには、宇宙のような広大なスペースがある。太陽の光が、無限に降りそそいでいる。
 
 始まりに唱える『ガーヤトリー・マントラ』太陽神 サヴィトリ への讃歌だ。『リグ・ヴェーダ』の3巻、62章、第10詩節に記されている『ガーヤトリー・マントラ』は、最も古いマントラであり、全ヴェーダの母と称えられる。
 
 サンスクリット語マントラから汲み取られた意味、単語の持つイメージを一つ一つ解説されているのを読みながら、その言葉のイメージを自分の内側に広げるように確かめていく時間が心地良い。何度も繰り返し読み、考え、いつも唱えるマントラ
 
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om bhūr bhuvaḥ svaḥ
tát savitúr váreṇyaṃ
bhárgo devásya dhīmahi
dhíyo yó naḥ prachodayāt

まずは、伊藤先生による直訳。
 
『OM  地界・空界・天界
太陽の光 無上の光 神の光を 
我ら享受したし(念いたし / おもいたし)
その光は 我が詩想を 励ましたまえ』

次に、伊藤先生が尊敬する辻直四郎先生による訳。
 
『オーン、地界・空界・天界 [を渉る(わたる)神] に
われら願わくは、サヴィトリ神の
愛でたき光明を享受せんことを
その彼はわが詩想を鼓舞せんことを』
 
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 伊藤先生の著書やテキストによく登場する、太陽神サヴィトリを讃えるガーヤトリー・マントラの世界観を表した絵がこれだ。
 
 
 「bhárgo」バルゴーは、「光」という意味。このマントラの中で主役となる語が、この「bhárgo」バルゴー=光だ。太陽の光、至高の光、神の光。それを、心臓の空間に満たしていく。そして、その光への感謝と祈りを捧げる。
 
 古くから心臓内に光をイメージする瞑想法があるそうだ。古いインドの話。こんなウンチクはさておいても、心臓の場所を感じてみたり、胸の前に手を重ねておいてみたり、たえずやってくる感情「喜・怒・哀・楽」の多くをこの場所で感じていることを思うと、そこに注目することに納得いかない人はいないのではないかと思う。
 
 『ガーヤトリー・マントラ』から展開される、光のプラーナで満たされたマルマ・ヨーガの世界に身をおきながら、一つ一つのマルマに意識をおいていく。すべてはゆっくりと、充分な時間をとって、心と体をマルマのポイントに重ねていくように、進んでいく。もし慌ててしまうと、心と体が交差しないままに形だけをなぞっていくような時間になってしまう気がする。
 
 現代人に必要なこと。世界のスピードの速さに翻弄されて分離してしまった心と体を一致させていくこと。それが『私』の中で起こっている時、安心してここに存在し、外側の世界に愛や調和を見る。
 
 ゆっくりと、丁寧に、マルマを見つめる目。そうやって過ごす時間は、目の前に広がる世界と私とを、つないでくれる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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身体内に立ち上がる小宇宙

身体内に立ち上がる小宇宙

〜マルマヨーガの話〜 vol.8  2020年5月9日
 
 『小宇宙と大宇宙の照応』私たち一人一人の存在と、この宇宙とは対応関係にある。これが、ハタ・ヨーガを特徴づけるコンセプトだ。
 
 ハタ的な『ブジャンガ・アーサナ / 蛇のポーズ』はそれを象徴している。背骨の一つ一つを順におこしていき、各チャクラの場所で、そのチャクラのバイブレーションを表すビージャ・マントラを唱える。チャクラと、この世界を構成する五大元素は次のような対応関係にある。
 

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● 喉のチャクラ ・・・『空』
● 心臓のチャクラ ・・・ 『風 』
● 臍のチャクラ ・・・ 『火』 
● 下腹のチャクラ ・・・ 『水』
● 尾骨のチャクラ ・・・ 『土』
 
 さらに、人体のそれより上にあるチャクラは、宇宙の誕生を表している。
 
● 頭頂のチャクラ・・・『無』ビッグバン以前
● 眉間のチャクラ・・・『識』宇宙の誕生・二元性の象徴
 
 これらの7つを順に起こしていくと、宇宙の創造の過程を表すことができる。この時にビージャ・マントラを唱えると、1. 身体への刺激、2. 呼吸、3. イメージング、この3つに同時に集中することができる。こうして、身体内に宇宙を立ち上げていく。
 
● 頭頂のチャクラ ・・・無音
● 眉間のチャクラ ・・・Om
● 喉のチャクラ  ・・・Ham
● 心臓のチャクラ ・・・Yam
● 臍のチャクラ  ・・・Ram
● 下腹のチャクラ  ・・・Vam
● 尾骨のチャクラ  ・・・Lam

 知らない人にとっては、マニアックな話に感じるかも知れない。マルマ・ヨーガを学ぶ私たちは、ごく当たり前に普段からこれを意識する。
 
 長い間ヨーガをしながら抱き続けてきた疑問があった。ヨーガをしている人には、自然派志向の人が多い。環境問題に関心が高かったり、天然素材のものを身につけていたり、食べるものにも気を配っている。けれども、ヨーガと自然派志向は、どこでどう関連しているのか。ヨーガの哲学には、地球を大切にしましょうとは書かれていない。ヨーガ・スートラには、ヨーガの8支則が記されていて、その中の禁戒・勧戒をみていくと、人や自然にも自分にも優しい生き方として、自然派志向とヨーガは、確かにつながる気もする。それでもまだどこか違和感があった。
 
 それが、マルマ・ヨーガに表される世界観に出会ってはじめて、納得がいった。人間は所詮、どんなに頑張っても自分本位だ。外側で起こる様々な出来事に、心は動かされる。それを無理に止めようとせずに、心の働きは自分が人間である証だとして、心が創りだすこの世界を愉しみながら生きる。小宇宙である自分の中には、無限の世界が広がっている。そこにあるものの全てが自分だから、それらの全てを受けいれる。というよりも、それとともにあることしか出来ない。
 
 そんな風に『私』という存在の無力さと、同時に無限の広がりを感じさせてくれるのがマルマ・ヨーガ。始まりと終わりに、心臓のマルマに集中する時、深い安心感とともにこの瞬間に心を委ねている。
 
 
 
 
 
 
 
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イマジネーション

『イマジネーション』

〜マルマヨーガの話〜 vol.7 2020年5月8日

 

 今、笛の音を聴きながら書いてる。 笛の音は、私のイマジネーションを目覚めさせてくれる。 昔こんな出来事があった。 私が横笛Bansuriについて語る時にいつもする話だ。

 

 20代前半の頃、インドを旅した。 最も長く滞在したのは、リシケシ / Rishikesh という街。 ヒンドゥーの聖地として有名な街だ。 毎日境目のないような連続した時間を過ごしていた。 街に布と毛糸を買いに行く。 日向ぼっこしながら、バッグを作ったり、編み物をしたり、刺繍をしていると、あっという間に一日は過ぎる。

 

 ある日、まだご飯を食べてなかったなぁなんて思いながら散歩に出て、ガンジス河の対岸の、埃っぽくて細い通りを歩いていると、笛の音が聴こえてきた。 道端に物乞いのおじさんをみつける。 おじさんは目が見えない。 汚れたシートを敷いて、小銭を入れる空き缶をシートの端において、笛を吹いている。 私は何気なくその音を聴いているけど、気づくと吸い寄せられるようにして、その前で私の脚は動かなくなってしまっている。

 

 おじさんの笛の音は、イマジネーションをかきたてる前にすでに、私の頭上にヴィジョンを示していた。 神話のような世界がそこに広がっていて、細かくはわからないけど私は、それが世界の始まりの頃の様子だと感じている。 そのヴィジョンを見て感じたというよりは、見えないキャプションがついていて、「これは世界の始まりです」と書いているような感覚だった。

 

 それほど鮮明にヴィジョンを見たのは初めてだった。 それ以前に、(まだ書いていなかったけど)私はその音楽に、感動していた。 音楽を聴いて心を動かされたのはそれが初めての経験だった。 本当に不思議だ。 その前から脚が一歩も動かない。 もっと聴いていたい、そう思う。 それから毎日、ガンジス河の対岸を、おじさんを探して歩いた。

 

 『イマジネーション 』

 私は自分の頭で考えてイメージを膨らませたわけではなかったけど、その音楽は、私のイマジネーションを目覚めさせ、ヴィジョンをくっきりと立ち上げてくれた。なぜだろう?もしかするとそれはそのおじさんがイメージしているものが音を通して伝わってきたのかな、と思ったりする。

 

 さて、ここからがようやくマルマヨーガの話。『マインドフルネス』や『ヴィパッサナー瞑想』という言葉をご存知の方がいると思う。 マルマヨーガで行なっていることは、それとは真逆。 イメージするヨーガだ。観想ともいう。

 

 『プラーナ』というコンセプトは、イマジネーション(創造力)によって成り立つ。 目に見えないものだからだ。『プラーナ』を体に溜め、コントロールし、最終的には止めていく。 それによって、心のさざ波のような働きが止まる。 そのために、ハタ・ヨーガをする。

 

 難しいことを抜きにして考えてみても、私たちが見ている世界は全て、自分の心でイメージして創り出した世界だ。目に映るもの、耳に入ってくるもの、鼻でかぐにおい、口にいれて味わうもの、肌に触れる感覚。全て同じ条件でも、人によってそこから受け取るものは違う。見る世界は違う。

 

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 マルマ・ヨーガでいつもいう言葉がある。「この世界はいつも私たちに同じものを見せてくれている。けれどもそれを受け取る人の心の数だけ、いくつもの異なる世界ができあがる。この『目・鼻・口・耳・皮膚』を通して、目の前にどんな世界を見るのか?自分はどんな世界に生きたいのか?それは、私たちの心が決める。イマジネーションを育てることによって、自分の見たい世界を創り出していくことができる。

 

 頭で考えることなく、そのための大切な『五感』『感覚器官』を浄化し、イマジネーションを育て、心に直接働きかける。そういうことをするのが、マルマ・ヨーガなのです。

 

 

 

 

 
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5月のスケジュール

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 今朝6時の空。毎朝のオンラインクラス前に自主練をしてるんだけど、それは今の私にとって大切な大切な時間。一日中アプトプットし続ける今の生活の中で、内側を見つめ静かな時間を持つことでバランスをとってる。それは、新しいことをインプットしているように感じられる時間。
 
 厳密にはインプットしている訳ではないけど、すでにあるものをもう一度丁寧に見つめ直してみたら全く違うように感じられたり、同じことの繰り返しによって内側で新たな気づきが生まれたり、お話するために資料を読み返すことによって、関係ないと思っていた二つのものごとのつながりがわかったり。
 
 この間もブログに書いたように、『慈悲喜捨の祈り』をする。そして、心と体がぴったり合うような感覚が私の中に生まれる。内側に神様がいるような信頼と安心。日々、喜・怒・哀・楽、様々な感情が生まれるけど、この瞬間に全てリセットされる。
 
 こうしてつながってくれている皆さま、ありがとうございます。
 
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  5月のスケジュール
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9日(土) 
8:15 朝のマルマヨーガ
14:30 言葉のヨガ② 自己PR / インタビュー&他己紹介
 
10日(日)
8:15 朝のマルマヨーガ
10:00 マインドフルネスヨガセラピー
 
11日(月)
7:15 朝のマルマヨーガ
 
12日(火)
7:15 朝のマルマヨーガ
11:00 椅子ヨガ
 
13日(水)
7:15 朝のマルマヨーガ
14:30 椅子ヨガ
 
14日(木)
7:15 朝のマルマヨーガ
 
15日(金)
7:15 朝のマルマヨーガ
 
16日(土)
8:15 朝のマルマヨーガ
14:30 言葉のヨガ③
 
17日(日)
8:15 朝のマルマヨーガ
10:00 マインドフルネスヨガセラピー
14:00-16:00 Yoga Cafe 〜ウクレレとお喋り♪〜
 
18日(月)
7:15 朝のマルマヨーガ
 
19日(火)
7:15 朝のマルマヨーガ
11:00 椅子ヨガ
 
20日(水)
7:15 朝のマルマヨーガ
14:30 椅子ヨガ
 
21日(木)
7:15 朝のマルマヨーガ
 
22日(金)
7:15 朝のマルマヨーガ
 
23日(土)
8:15 朝のマルマヨーガ
14:30 言葉のヨガ④
 
24日(日)
8:15 朝のマルマヨーガ
10:00 マインドフルネスヨガセラピー
 
25日(月)
7:15 朝のマルマヨーガ
 
26日(火)
7:15 朝のマルマヨーガ
11:00 椅子ヨガ
 
27日(水)
7:15 朝のマルマヨーガ
14:30 椅子ヨガ
 
28日(木)
7:15 朝のマルマヨーガ
 
29日(金)
7:15 朝のマルマヨーガ
 
30日(土)
8:15 朝のマルマヨーガ
14:30 言葉のヨガ⑤
 
31日(日)
8:15 朝のマルマヨーガ
10:00 マインドフルネスヨガセラピー
 
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朝のマルマヨーガ 45分 ドネーション
椅子ヨガ 45分
言葉のヨガ 75分
マインドフルネスヨガセラピー 75分
 
 ◎オンラインの各クラスの詳細はこちらから↓
 
 
最後まで読んで下さってありがとうございます。
今日も良い一日を♡
 
 
 
 
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  Yogini Ai
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