名前のない気もち。
友だちと、
楽しくおしゃべりをして帰ったら、
あ〜、楽しかった!
仕事がうまくいかなかった日の帰りみち、
あ〜ぁ、落ち込む。
ひとりでゆっくり
読書をした休日の午後、
ん〜、幸せ。
なにげなくはなった一言で
人を傷つけてしまった時、
は〜ぁ、自己嫌悪。
なぜだかイイことが、
たて続けにおこった一日、
きゃ〜、嬉しい!
いつもはそんな風に、
自分の中に生まれた気持ちに
名前をつける。
ところがたまに、
名前のつけられない
気持ちになることがある。
あたらしい何かに出逢った時、
透明で、
ニュートラルな、
気持ちになる。
今、自分が感じているものが、
過去に経験のない感覚、
そんな状態になる。
現在という瞬間と
未知なる未来。
名前のない気持ち。
それはちょうど、
そのさかい目のあたりに、ある。