タントラの太陽礼拝
タントラの太陽礼拝
〜マルマヨーガの話〜 vol.15 2020年5月26日
早朝の太陽を礼拝する儀礼『 太陽礼拝 / スーリヤ・ナマスカーラ 』。12の連続ポーズで構成されるスーリヤ・ナマスカーラは、大宇宙の「時間のサイクル」のひとつである一年を、小宇宙の経験する短時間の行為のうちに写し出すものになっている。
大宇宙と小宇宙の照応は、タントラ思想において強調されている。『 太陽礼拝 / スーリヤ・ナマスカーラ 』は、それを体で感じ、理解するための手がかりとなる。インド仏教が最後に行き着いたのが、カーラチャクラ / 時輪(じりん)思想で、それが後にヒンドゥー・タントラに受け継がれた。
タントラの太陽礼拝では、太陽がつくりだす季節の移り変わりをイメージングしながら行う。伊藤武先生の著書『図説 ヨーガ大全』に書かれている言葉が心に沁みこむように広がった。
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ヨーガの太陽礼拝のポーズ(スーリヤ・ナマスカーラ・アーサナ)は、
身体でつづる時間の詩だ。
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私がマルマヨーガの太陽礼拝をする時に、二つの方法がある。
ひとつは『秘伝マルマツボ刺激ヨーガ』で説かれている、各アーサナ毎に特定のマルマのポイントに集中しながら行う方法。
もうひとつが『図説 ヨーガ大全』で説かれているタントラの太陽礼拝だ。
前者は、ヨーガを、まずは身体的な効果にフォーカスして行う人にもやりやすい。後者は、ヨーガを、個人の健康という意識を超え、より大きな地球の環境の健康や世界の平和、そしてあらゆるものへの慈しみの心を育む基礎を築いていけるように思う。
マルマヨーガのふたつの太陽礼拝はどちらも私を魅了する。