Yogini愛の天然生活

かざらない、そのままの自分にぴったりフィットする言葉をつづります

初々しい姿を見て心が洗われる。

この春、息子が中学生になりました。


小学校の六年間続けた少林寺拳法では、スポーツ少年団から大人の部への所属に変わりました。


週三回夜間の練習の行き帰りは、ジャケットにチノパンという、少し大人っぽい服装。


練習は夜遅くまであります。

なので雨が降っていた今日は、車で迎えに行きました。


窓の外から息子を探しますが、見当たりません。

行ったり来たりしながら、もう一度元の場所に戻って来た時、窓の向こうのロッカーの側に息子の姿を見つけました。


私には気がつかない様子だったので、いつ気づくかなぁ?と思いながら帰り支度をする息子を目で追っていました。


周りに気を遣い緊張した様子ではありましたが、脱いだ胴着は丸めて鞄に入れています。

ポロシャツの裾は中途半端にチノパンからはみ出しています。

鞄の中に無造作に押し込んでいたジャケットは、シワシワになっていました。


支度が済むと鞄を横に置き、一番近くにいた先輩に合掌であいさつをしています。背筋がピンと伸びていました。


その後、道場の中をぐるぐると、全ての先輩に合掌して回っていました。


最後に、先生の前で鞄を置き、合掌であいさつをしました。


私が玄関付近まで迎えに行くと、息子が最初にあいさつをした先輩が出てきて、私にあいさつをしてバイクで帰って行きました。


その後、息子が出てきてため息をひとつ。すぐに別の先輩が出てきました。その先輩は私に、「いつもお疲れさまです。」と言ってから息子の方を見て微笑みました。


息子は、先輩の方は見ずに靴を出してから荷物を置くと、とってつけたように突然振り向いて、先輩に合掌であいさつをしました。

どうやら、あいさつをするタイミングをはかりかねていたようでした。


最後に、道場の門を閉めるのは中学生の役だと言われたと呟きながら、重たい門を動かそうとしていたので、側にいたさっきの先輩が「おっ。門を閉めるんか?」と言いながら手伝ってくれました。

息子はぎこちなくお礼を言いました。


それから、玄関灯のスイッチも消しながら「これも中学生がやるように言われてん。」と私に言いました。


先輩が帰っていく車のエンジンの音がしました。


私よりもおそらく20歳近く歳下の先輩。そんな先輩も、思わず微笑んでしまうくらい初々しい新入り。


そんな光景を見ると、心が洗われるように感じるのは何故なんだろう。

胸の奥が軽くなるように感じるのは何故なんだろう。


後から考えて不思議に思いました。