Yogini愛の天然生活

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身体内に立ち上がる小宇宙

身体内に立ち上がる小宇宙

〜マルマヨーガの話〜 vol.8  2020年5月9日
 
 『小宇宙と大宇宙の照応』私たち一人一人の存在と、この宇宙とは対応関係にある。これが、ハタ・ヨーガを特徴づけるコンセプトだ。
 
 ハタ的な『ブジャンガ・アーサナ / 蛇のポーズ』はそれを象徴している。背骨の一つ一つを順におこしていき、各チャクラの場所で、そのチャクラのバイブレーションを表すビージャ・マントラを唱える。チャクラと、この世界を構成する五大元素は次のような対応関係にある。
 

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● 喉のチャクラ ・・・『空』
● 心臓のチャクラ ・・・ 『風 』
● 臍のチャクラ ・・・ 『火』 
● 下腹のチャクラ ・・・ 『水』
● 尾骨のチャクラ ・・・ 『土』
 
 さらに、人体のそれより上にあるチャクラは、宇宙の誕生を表している。
 
● 頭頂のチャクラ・・・『無』ビッグバン以前
● 眉間のチャクラ・・・『識』宇宙の誕生・二元性の象徴
 
 これらの7つを順に起こしていくと、宇宙の創造の過程を表すことができる。この時にビージャ・マントラを唱えると、1. 身体への刺激、2. 呼吸、3. イメージング、この3つに同時に集中することができる。こうして、身体内に宇宙を立ち上げていく。
 
● 頭頂のチャクラ ・・・無音
● 眉間のチャクラ ・・・Om
● 喉のチャクラ  ・・・Ham
● 心臓のチャクラ ・・・Yam
● 臍のチャクラ  ・・・Ram
● 下腹のチャクラ  ・・・Vam
● 尾骨のチャクラ  ・・・Lam

 知らない人にとっては、マニアックな話に感じるかも知れない。マルマ・ヨーガを学ぶ私たちは、ごく当たり前に普段からこれを意識する。
 
 長い間ヨーガをしながら抱き続けてきた疑問があった。ヨーガをしている人には、自然派志向の人が多い。環境問題に関心が高かったり、天然素材のものを身につけていたり、食べるものにも気を配っている。けれども、ヨーガと自然派志向は、どこでどう関連しているのか。ヨーガの哲学には、地球を大切にしましょうとは書かれていない。ヨーガ・スートラには、ヨーガの8支則が記されていて、その中の禁戒・勧戒をみていくと、人や自然にも自分にも優しい生き方として、自然派志向とヨーガは、確かにつながる気もする。それでもまだどこか違和感があった。
 
 それが、マルマ・ヨーガに表される世界観に出会ってはじめて、納得がいった。人間は所詮、どんなに頑張っても自分本位だ。外側で起こる様々な出来事に、心は動かされる。それを無理に止めようとせずに、心の働きは自分が人間である証だとして、心が創りだすこの世界を愉しみながら生きる。小宇宙である自分の中には、無限の世界が広がっている。そこにあるものの全てが自分だから、それらの全てを受けいれる。というよりも、それとともにあることしか出来ない。
 
 そんな風に『私』という存在の無力さと、同時に無限の広がりを感じさせてくれるのがマルマ・ヨーガ。始まりと終わりに、心臓のマルマに集中する時、深い安心感とともにこの瞬間に心を委ねている。
 
 
 
 
 
 
 
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  Yogini Ai
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